ピッシーのメモ帳

気になった情報の保管庫

「ネットワークはなぜつながるのか」を読んだ感想

概要

bookplus.nikkei.com以下、公式ページより。

ブラウザにURLを入力してからWebページが表示されるまでの道筋をたどりながら、その裏側で働くTCP/IP、LAN、光ファイバなどの技術を説明していきます。インターネットを通ってサーバーまで行って帰ってくる道筋の途中には、今のネットワークの主要な技術要素が全部あります。そこでの機器やソフトウエアがどのように動き連携しているのかを探検すればネットワーク全体の動きがわかります。
第2版では、全体の構成を見直し、探検の途中で、今、ネットワークのどの部分にいるのかを明確にしました。また、各技術の基本的な考え方や成り立ちなど、基礎的な解説を大幅に増やしたほか、個別の補足説明も注釈として多く取り入れています。大事な点は「要約」としてまとめ、読んで記憶に残るようにしました。初心者の方も、基本的なところからきちんと理解して読み進めてもらえます。

ネットワーク系の本の中ではわりと有名な本で、ネットワークの勉強本を調べると一度は出てくるかと思う。

この本がおすすめな人

ある程度ネットワークの基本的な用語を理解している人。

もしくは、ネットワークスペシャリストやCCNAといったネットワーク系の資格取得を目指している人。

感想

この本はネットワークの基礎的な内容を丁寧に解説しており、一読すると初心者向けのように思える。(公式ページにも「初心者の方も、基本的なところからきちんと理解して読み進めてもらえます」とある)

しかし、逆にこの本は初心者にはおすすめできない。

それは、全くの初心者にとっては最初の章の内容が難しいのではないかと感じるから。

例えば、第一章ではWebブラウザのアドレス欄にURLを入力するところから始まるが、HTTPのステータスコードやメソッド、さらにはDNSやプロトコル・スタックと様々な用語について解説している。この時点で、かなり内容が濃いのが分かるだろう。

そのため、ネットワークをはじめて勉強するような初心者はここで理解できずに「ネットワーク用語は難しい」と挫折してしまう可能性が高い。

また、第二章も「ソケットを作成する」から始まっており、第一章の内容をある程度理解していることが前提となっている。そのため、第一章でつまづいた時点でそれ以降の章を理解することが難しくなっている。

それに、本書は詳細に解説しているために400ページを超えており、最後まで読み通すのに根気が必要となる。それも、挫折の原因となり得る。

なので、この本は初心者というよりはある程度ネットワーク用語を知っている人やネットワーク系の資格取得を目指している人に読んでもらうのが良いかと思う。

なお、内容はいろいろな場所でおすすめされるだけにとてもよい。

ネットワーク系の本は、個々の技術について解説している本は多いが、本書のように全体の流れを解説している本は少ない。

そのため、本書を読むことでどのような場面でどのような技術・プロトコルが使われているのか、どのような情報が使われているのかがイメージしやすくなる。

ただし、一つマイナスポイントを上げるとするならばWANのアクセス回線で主にADSLが取り上げられていること。

本書は2007年に刊行されたので仕方がないが、現在ADSLはフレッツ光対応エリアではすでにサービス終了している。

www.ntt.comそのため、ADSLについて本書で学んでも活用できる場面が少ない。

改訂するのであれば、WANのアクセス回線としてFTTHを取り上げて欲しいところ。(一応本書にはFTTHの解説はあるが、例えば最近増えているIPv6 IPoE方式などアクセス回線そのものにについての解説はない)

おわりに

ネットワーク通信の流れが詳しく解説されているので、個人的にはおすすめ本です。

 

興味があればどうぞ。