私は情シスという仕事柄、いろいろなメーカーのノートパソコンを見かける機会がある。その中でも、特に富士通製ノートパソコンのキー配列はパソコン初心者向けによく考えられているなと思っている。この記事では、そのように思った理由を解説する。
下記リンク先の記事に、実際の富士通製ノートパソコンのキーボード画像が掲載されている。なお、以下の記事では家庭向けの機種が紹介されているが、法人向けの機種でもキー配列自体は概ね同様となっている。
NumLockキーの位置
情シスでヘルプデスク業務をされた方なら、おそらく一度は「急にキーボードがおかしくなった」という問い合わせを受けた経験があるだろう。その原因として多いのが、NumLockとScrollLock。ただし、ノートパソコンではScrollLockはFnキーを同時に押すことで機能する機種が多いので、ScrollLockはどちらかと言えばデスクトップパソコン利用者からの問い合わせが多い。
テンキー付きのキーボードでは、NumLockが有効かどうかでテンキーの役割が変わる。NumLock有効で数字キー、無効でカーソルキーとして動作する。私のこれまで見てきた機種の中では、テンキー付きのノートパソコンではNumLockはFnキーを必要とせず動作する機種が多い。また、特に数字の7キーの上についていることが多く、BackSpaceキーのすぐ隣にあるため押し間違いが起きやすい。
富士通製ノートパソコンのキー配列では、NumLockはInsertキー、ScrollLockはDeleteキーに割り当てられているがFnキーを同時に押さないと機能しないようになっている。そのため、余程のことがない限りは間違ってNumLockを押すことはない。
カーソルキーの位置
カーソルキー周りは特にメーカーの独自色が出るような気がする。よくあるのが、カーソルキーと他のキーを押し間違えること。メーカーによってはカーソルキーの周囲にPageUpキーやPageDownキーを割り当てている機種があり、「カーソルキーがおかしい」という問い合わせの原因になっていたりする。
富士通製ノートパソコンのキー配列では、カーソルキーは他のキーと比べてやや下がった位置にある。見た目はやや不格好だが、これはFラインと呼ばれているものらしい。
以下、リンク先本文より引用。
なかでも、富士通クライアントコンピューティング独自の「Fライン」は使い心地を高めてくれる特徴のひとつだ。これはカーソルキーが一段下がっている同社独自のデザインで、テキスト入力が容易に。カーソルキーを使う機会が多いと思われるので、このFラインは便利だと思われる。
カーソルキーが少し下がっていることで、他のキーとの押し間違いが起きにくくなる。カーソルキーの形状も、全方向同じ大きさで逆T字型なので押しやすい。
以前はNECも同様のカーソルキーを採用していたようだが、私が確認した限りでは今の機種では採用されていない。*1
おわりに
富士通製ノートパソコンのキー配列では、初心者が使っていて「急にキーボードがおかしくなった」といった問題が起きにくくなっている。メーカーが意図して設計したのか偶然なのかは分からないが、キー配列に関しては他社と比べて優秀だと思う。
キーボードでノートパソコンを選ぶ人はあまりいないだろうが、ノートパソコンを購入する際はキー配列も参考にしてはどうだろうか。
*1:現在のNECのキー配列は、カーソルキーがShiftキーに食い込んだような配列になっている。この配列ではShiftキーと↑キーの押し間違いが起きやすいので、私は元の配列に戻したほうがいいと思う。