パソコンを廃棄するときにHDDのデータを消去するが、リカバリしただけでは完全には消えない。廃棄業者に消去作業を任せるのも一つの手だが、この記事では個人でできるデータ完全消去方法を紹介する。
一度この作業を行うと取り消しができないので、消去対象のHDDをよく確認してから作業を行うこと。
事前準備
LiveDVD作成
Linuxを起動するためのLiveDVDを作成する。Linuxには様々なディストリビューションがあるが、私のおすすめはKnoppix。デフォルトのデスクトップ環境がLXDEなので起動が速く全体的に動作が軽い。*1
ミラーサイトからISOファイルをダウンロードする。パソコンにDVDドライブが付いているか外付けDVDドライブを持っているのであれば、DVDに焼いて使うのが楽。他にもUSBメモリにインストールする方法もあるのでその辺は好みで。
ブートメニューの確認
たいていのパソコンは、メーカーロゴ表示時になにかしらのファンクションキーを押すことでブートメニューを表示できるようになっている。この設定はパソコンの機種ごとに異なっているので、あらかじめどのキーを押すとブートメニューを表示できるのかを確認しておくこと。以降はLinuxが正常起動した前提で書く。
起動後の作業
デスクトップが表示されたらターミナルアプリを開く。*2
ディスクの確認
以下のコマンドで、消去対象のディスクを確認する。
sudo sfdisk -l
内蔵HDDは「/dev/sda」と記載されていることが多い。事前に消去対象HDDの型式や容量を確認しておくこと。
データ消去
以下のコマンドで、HDDのデータを消去する。一度コマンドを流すと取り消せないので注意。
sudo shred -n 3 -v -z /dev/sda
回乱数を書き込んだ後、0を書き込む。-n
で乱数書き込み回数を指定し、-z
で最後に0を書き込む。*3-v
は進捗状況を表示するオプションで、つけた方が進捗が分かりやすい。
補足 データ消去後にシャットダウンする方法
HDDの容量にもよるが、データ消去完了まで半日程度かかる。消去が終わったら勝手にシャットダウンするようになれば、一度コマンドを流すと完全放置でいいので楽。
方法は簡単で、消去コマンドの末尾にシャットダウンのコマンドをつける。
sudo shred -n 3 -v -z /dev/sda ; shutdown -h now
セミコロンの後にコマンドをつけると、前のコマンドが終了した後に続けてコマンドを実行できる。ただし、何かしらの原因でshred
コマンドが失敗しているとデータ消去せずにシャットダウンしてしまうので注意。