HDD(ハードディスク)の調子が悪いと感じたとき、私はよくCrystalDiskInfoというソフトを使ってHDDの状態を確認している。今回は、私がこのソフトを使ってよく確認している項目を紹介する。
CrystalDiskInfoとは
簡単に言えば、HDDやSSDの健康状態を表示できるソフト。
HDDやSSDにはS.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)と呼ばれる自己診断機能が付いている機種があり、特に現在販売されているHDDではほぼすべての機種にこの機能が付属している。CrystalDiskInfoでは、このS.M.A.R.T.の情報を読み取った結果を画面上に表示する。
起動後の画面
CrystalDiskInfoを起動させるとこんな感じの画面が表示される。
CrystalDiskInfoには、内蔵HDDだけでなく一部の外付けHDDやSSDのS.M.A.R.T.情報を読み取る機能がある。今回は外付けHDDの情報を読み取ってみた。
よく確認している項目
私がよく確認しているのは以下の項目。いずれも生の値を確認している。
- 代替処理済のセクタ数
- 代替処理保留中のセクタ数
- 回復不可能セクタ数
これらの項目は、正常なHDDであれば生の値は0と表示される。
代替処理済のセクタ数
代替処理とは、簡単に言えば不良セクタ*1のデータを代替セクタに移動させる処理のこと。
HDDには、不良セクタが発生した場合に備えてあらかじめ代替セクタと呼ばれる予備の領域が存在する。この領域に不良セクタのデータを移動させ、不良セクタを使用不可にする処理を代替処理という。この代替処理が行われたセクタが「代替処理済のセクタ数」として表示される。
代替処理が済んでいるということは、すでに見つかった不良セクタの処理は終わっているということを意味する。そのため、この値があったからといって過度に心配する必要はない。しかし、短期間で値が増えている場合はHDDに何かしらの異常が発生している可能性があるので要注意。
代替処理保留中のセクタ数
「代替処理保留中のセクタ」とは、何らかの原因で代替処理が行われていない不良セクタのこと。*2実は不良セクタが出たからといってすぐに代替処理が行われる訳ではない。HDDのファームウェアが不良セクタだと認識していても、次回アクセス時にエラーが出なければ通常のセクタとして認識される。この処理待ちとなっているセクタが「代替処理保留中のセクタ数」として表示される。*3
なお、HDDの完全フォーマットを行うことで代替処理が進みこの値が減ることがある。なので、こちらも値があったからといって過度に心配する必要はないが、短期間で値が増えている場合はHDDに何かしらの異常が発生している可能性があるので要注意。
回復不可能セクタ数
回復不可能セクタとは、その名の通りデータが全く読み取れないセクタのこと。このセクタがある場合は、HDDが物理的に故障している可能性が高い。なので、できれば他のHDDやSSDにデータを移すことをおすすめする。私の経験では、回復不可能セクタがあるHDDはすでに何かしらの不具合が発生していることが多い。
まとめ
今回紹介した3項目の生の値がいずれも0であれば、HDDは特に異常がないと判断できる。また、値があったとしてもしばらく様子を見て増えないようであれば特に問題はない。しかし、HDDは突然死も起こりうる機械なので、日頃から複数のHDDやSSDにデータをバックアップしておくことをおすすめする。
おまけ 回転数について
私が基本的に確認しているのは先ほどの3項目だが、せっかくなのでHDDについてもう少し知りたいという方向けにHDDの回転数について少しだけ紹介する。
HDDは、データを読み取るためにディスクを高速回転させている。一般的には、1分間に5400回転(5400RPM)か7200回転(7200RPM)の機種が多い。回転数が高いほど読み取り速度が早いと言われているが、正直読み取り速度を気にするのであればHDDよりSSDを選択した方がいいと思う。*4